ドラッグストアは、なぜ成長したのか?

ドラッグストアは、なぜ成長したのか?

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ドラッグストアの規模は、10兆円産業に到達するといわれています。現状が5兆円ですから倍増することになります。根拠は「高齢者人口の増加」「セルフメディケーションの推進」が挙げられます。

 

ドラッグストアは、なぜ成長したのか?

 

将来的には、10兆円規模まで伸びる予想

 

08年度の日本のドラッグストアの売上は、5兆2336億円で店舗数は15625店です。売上高は、03年までは二桁成長でしたが、その後は一桁台です。店舗数は03年までは、年間700店舗以上のペースで増加していたのですが、その後は、半分以下に落ちています。(日本ドラッグチェーンストア協会の調査)

 

ドラッグストアの成長は、店舗サイズの大型化、高速出店、品揃え拡大、低価格などの戦略で小売店(薬局・薬店・化粧品店)から売上を奪い取ってきたものです。しかし、それも終焉です。そうなると成長するためには、ドラッグストア同士の競争に打ち勝たなければなりません。また、類似の他業態との競争時代に入ったのです。

 

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ドラッグストア各社は、取り引き条件を優位にしたりPB商品の調達するため、規模の拡大や提携・M&A(合併&吸収)を行うようになりました。いわゆる業界再編です。そして、競争に負けた企業は、倒産・生産・売却されました。閉店も多くなってきました。

 

ドラッグストア業界は、現在非常に厳しい環境です。しかし、他業界から見ればまだ成長率は高いのです。近い将来には、現在の倍の10兆円産業に成長すると、日本ドラッグストア協会は見ているのです。店舗数は、現在の15000店舗より3万店舗増加していくと見ています。

 

この成長要因は8つあります。

 

  1. 面分業による調剤の売上拡大
  2. スイッチOTC薬の増加
  3. セルフメディケーション意識の増加による健康食品、ヘルスケア商品の市場拡大
  4. 入院期間短縮での看護市場、高齢者増加の介護市場拡大
  5. アンチエイジングニーズの高まりから、スキンケア市場の拡大
  6. ダウンエイジングニーズ高まりの関連商品増加
  7. 家庭内における快適生活のコンフォート需要
  8. ペット需要拡大

 

そのほかにも、宅急便、ローン、各種切符取り扱いサービス、弁当などファストフード強化などのコンビニエンスストアとしての分野拡大もこれからは考えられるのです。それらが、このドラッグストアを10兆円産業へと押し上げる原動力なのです。

 

 

面分業
病院前にある門前薬局や診療所前のマッサージ薬局は、特定医療機関の処方せんを受けるので「点分業」という。対して、地域で大奥の医療機関からの処方せんを受ける形態を「面分業」という。

 

スイッチOTC薬
医療用医薬品として使われていた医薬品成分が、一般用に転用されたもの。

 

ダウンエイジング
年齢より若く見せたがる心理と行動




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