情報システムの基盤である医薬品コードの標準化

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医療業界では、通信と情報処理目的のシステムが数多く構築され、導入が進んでいます。しかし、現在使われているコードや用語は医療機関それぞれ独自の体系になっており、共有電子カルテの活用などを踏まえ、コードや用語を統一していく動きがでています。

 

情報システムの基盤である医薬品コードの標準化

 

医療業界のコードや用語を標準化するために、厚生労働省は74年に財団法人医療情報システム開発センター(MEDIS−DC)を設置しました。その後2004年、同センターによって「医薬品マスター」、「病名マスター」、「手術処置マスター」、「臨床検査マスター」、「症状所見マスター」、「医療機器マスター」,歯科向け、看護師向けなどの9分野10項目のコード体系が構築されました。

 

「医薬品マスター」には、医療用医薬品のみが載っており、販売中止から5年たった製品は削除されています。電子カルテへの対応に備えたコード体系で、販売会社から、包装のスタイルまで検索できます。コード体系は、具体的に以下のようになります。

 

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薬価基準収載医薬品コード(12桁) 

数字の順番は、薬効分類(4桁)、投与経路及成分(3桁) 剤形(1桁)、同一分類内別規格単位番号(1桁)、同一規格単位内の銘柄番号(2桁)、チェックディジット(入力データに間違いがないかどうかを検出するための数値、1桁)で構成されています。

 

個別医薬品コード(12桁) 

薬価基準収載医薬品コードでは分類されない、一般名が同じの製品を個々に分類します。

 

JANコード(13桁)

統一商品の販売用包装単位ごとに付くコードで、国コード(2桁)、企業コード(5桁)、商品アイテムコード(5桁)、チェックディジット(1桁)で成り立っています。

 

レセプト電算処理システム用コード(9桁)

保険医療機関が、保険者として保険料を受け取るために審査支払機関に提出するコード。区分(1桁)、医薬品を示す番号(8桁)で成り立っています。

 

 

HOTコードと呼ばれる基本コード(13桁)が、各コードを関連付けて管理するのに役立っています。これは処方用(7桁)、会社用(2桁)、調剤用(2桁)、物流用(2桁)から成っています。

 

ただし、現在の基本コードは、メーカーの合併などによる社名変更や、新製品登録などの作業に手間がかかるといわれており、より効率の良いバーコードや、電子タグの導入などを検討すべきとの指摘があります。




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