東日本大震災から学ぶ薬剤師の役割

東日本大震災から学ぶ薬剤師の役割

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東日本大震災は・死者・行方不明者あわせて2万人以上でした。あれから1年以上経過しましたが、なお被害のが大きく復旧もまだまだです。大震災時に薬剤師はどういう活動をしたのでしょう。

 

東日本大震災から学ぶ薬剤師の役割

 

医療ニーズが刻々と変わる

 

大災害が起こると、時間経過とともに必要な対応はどんどん変わっていきます。医療も同じです。段階は大まかに3つに分かれます。初期段階は、まず救急の手当です。薬剤師には医薬品を確保し仕分けすることが重要です。

 

中期には、患者の治療です。薬剤師は、患者の情報収集や服薬の指導、医師に処方提案をすることです。最終段階は終息期ですが、感染の防止など環境衛生を考えなくてはなりません。ここでは、慢性疾患や避難所の人々の健康管理をすることに注力します。臨機応変がキーワードになります。

 

全国各地から送られてくる支援物資は雑多で膨大です。まず一箇所に集められて、仕分けをします。この時有効な医薬品・サプリメント・OTC薬を仕分けできるのは、薬剤師だけなのです。

 

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避難所における処方のアドバイス

 

異常な事態が起こったとき、現場においては医療関係者は協働で事態に当たらなければなりません。特に医薬品は、ドンピシャのものがあるとは限りませんから、類似品やジェネリック品など、OTC薬などの代替はアドバイスできる薬剤師の仕事です。

 

東北3県では、薬剤師の活動に対して避難所で、感謝の声が多く大きな役割を果たしました。薬剤師は調剤室以外では、通常は調剤できませんが、非常時は例外として扱われます。避難所の生活は、ストレスからくる健康の問題が生じます。健康人でも、栄養の偏りや運動不足、エコノミークラス症候群、不眠などが起きるのです。

 

環境の衛生状態が悪化するので感染症なども発生しやすいのです。このような状態で、薬剤師は貢献できる場所と範囲は非常に広いのです。学校栄養士は不特定多数の児童に常に接しています。換気や水質検査などで貢献度は大きいのです。薬剤師は薬の管理者として、指導的役割を果たしたことが認識されたのでした。

 

 

 

■災害時の薬剤師の業務 

 

1.集積所等における仕分け、保管、管理

 

・品名、数量、同種効薬の有無
・医療医薬品、OTC薬の分類、薬効別、剤形別分類
・有効期間、保存屋取り扱いに注意が必要な医薬品の管理
・救急医薬品のセット、医療材料・衛生用品等の供給

 

2.避難所等における業務

 

・調剤、代替薬(同種同効果薬)の提案、処方提案、服薬指導

 

3.医療救護以外の薬剤師の活動

 

・被災者のメンタルケア・エコノミークラス症候群に対する注意喚起・衛生環境の管理・飲料水の水質検査等の公衆衛生活動

 

 

■災害時の医療
薬剤師は薬局以外の場所で調剤してはならないが、災害時は例外的に調剤が可能。東日本大震災では、厚労省から医療機関が被災したため処方せんが発行されない場合、保険証がない場合などでも医薬品を渡すことができるなどの緊急対応の通知が出された。




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