薬の分類法について(E-Drug、P-Drug)

薬の分類法について(E-Drug、P-Drug)

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世界中で数多くの薬が開発されていますが、本当に私達が必要としている薬はどれだけあるのでしょうか。自国で必要とする薬を見直そうとする動きが世界各国ではじまっています。

 

薬の分類法について(E-Drug、P-Drug)

 

医薬品の中でE-Drug(Essential Drug, 必須医薬品)と分類されている薬剤群があります。1975年にWHOが提唱した、「医薬品を手に入れることが難しい途上国において必要最低限な特定医薬品」をさします。当時途上国への医薬品援助の指標とされたもので、その国の国民の健康を守るために最低限必要でかつ、費用対効果が高いとされた薬でした。

 

WHOはその後77年に必須医薬品モデルリストを作り、方針を示しました。基本的に内服用には錠剤が選ばれます。価格が安いことと、粉薬やカプセルより飲みやすいからです。また、その薬にすでに使用例が多く、安全で有効なことが実証されていることも重要です。

 

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モデルリストを基準に援助する国の状況を考慮して各国の必須医薬品リストが作られます。リストを作るにあたって該当国の疾病状況、医療従事者のレベル、薬のストック設備の状態も考慮にいれます。

 

必須医薬品リストは世界に広がり、今では多くの国が自国のリストを作っています。E-Drugという言葉を通して低コストにてより良い医療が受けられることを願う気持ちが伝わります。高い薬、新しい薬が必ずしも良い薬ではないのです。安くとも世界中の人を助ける薬にこそ価値があるといえるのではないでしょうか。

 

 

P-Drugの特徴について

 

P-DrugとはPersonal(個人的な) Drug,あるいはPriority(最優先の) Drugともいわれています。医師は大抵専門科の診療をしているため、使用する薬もある程度決まってきます。臨床経験から安全性、効果を実証し、使い慣れた薬となったものが、その医師のP-Drugなのです。

 

薬は服用する人の人種、年令、性別や服用期間などによって、量、併用する種類を変えていく必要があります。これは、臨床現場で経験を積んだ医師にしかできない技で、製品マニュアルに従うだけでは臨機応変な薬の処方はできません。医師の裁量が生かされているP-Drugは非常に効率が良い処方になっているのです。




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