医療情報の提供を行う医薬品メーカーの学術部について

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近年、IT技術が格段に進歩し、インターネットを通じて医療情報が配信されるようになってきました。そして今、そうした情報を日々配信している「学術部」の存在が、改めて重要視されているのです。

 

医療従事者は、メーカーから受けた医薬品に関する正確な情報を元に、適切な判断を行い、患者に医薬品を処方します。これは、医薬品が使用されるうえでの大原則です。そのため、医療用医薬品の販売には宣伝という言葉は存在せず、医薬品メーカーの組織には広告宣伝部と名のつく部門は存在しません。

 

医療情報の提供を行う医薬品メーカーの学術部について

 

では、どこで医療情報の提供を行っているのかというと、それが学術部と呼ばれる部門です。学術部では、医薬品の作用とそのメカニズム、服用方法や副作用等、その薬剤に関する情報が網羅された冊子を作成します。

 

この冊子があることで、MRは正しい情報を医療従事者に提供し、効率的に営業活動を行うことができるのです。また学術部は、多様な医薬品の研究発表が行われる学会の運営も担っており、学会発表や論文発表を行う医師や研究者たちの資料作成もサポートします。

 

 

さらに、今やPCを持つことは当たり前の時代となり、医師もインタネットを通して情報を取得する機会が増えたため、常に最新の医療情報をネット上に流すというサービスも行っています。インタネットが普及したことで、学術部の活動の場も広がり、企業内でも組織の拡大が目立ってきています。

 

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ネット上でMRが情報を提供する

 

インターネットが普及するにつれ、医薬品メーカー以外が発信する医療情報サイトが急増しています。ソニーグループに属するエムスリー・ドットコムは、国内最大級の医療情報専サイトであり、2013年4月現在の会員登録数は 20万人に達したと言われており、主力医薬品メーカーのほとんどがスポンサー契約を結んでいます。

 

このサイトは完全会員制で、利用者は医療従事者に限定されます。活字媒体での情報提供か主流であったころは、一般大衆を含めた不特定多数の人が情報を目にする可能性がありました。そのため、「A社の薬はB社の薬より効果が高い」といった比較広告等、一般大衆をに誤解を招きかねない表現は厳しく制限されていました。

 

 

ところが、エムスリー・ドットコムのサイトではわ閲覧者が医療従事者に限定されているため、一歩踏み込んだ表現が可能になったのです。さて、このサイトでは「MR君」と呼ばれるコーナーが注目されています。

 

このコーナーでは、主要メーカーの女性学術部員を仮想MRに仕立て、会員に最新情報を提供したり、メールで質問を受け付けるといったサービスを行っています。また、各薬剤の情報を会員全体に流すのではなく、対象の専門医をピックアップして、その領域に特化した専門性の高い情報を配信するという工夫がなされています。




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