薬剤師が業務を拡大していく将来性について

薬剤師が業務を拡大していく将来性について

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アメリカの薬剤師は、日本の薬剤師と比べて多くの機能があるのです。日本でも、薬剤師の職能を拡大して医療の質を上げようという動きが見られます。最近の動きとは何でしょう。

 

薬剤師が業務を拡大していく将来性について

 

特定看護師が創設され、次は薬剤師への期待が高まる

 

薬剤師の業務を広げようという動きがあります。2010年3月に、厚労省の「チーム医療の推進に関する検討会」が出した報告書がきっかけとなりました。この検討会は、もともとチーム医療を推進するため、医師と看護師等との協働・連携のあり方を見直すことでした。

 

現在は、看護師の業務拡大が、先行して検討されています。看護師は医師の指示がなければ、医療に関する行為はできません。ただ、「医師の指示」の定義があいまいでした。一つはこれを明確に決めること、二つ目は看護師の独自判断で一部の医行為をすることができる特定看護師(仮称)制度を創設すること、です。

 

アメリカではナースプラクティショナー(NP=上級看護師)制度があります。NPは大学院で専門定期な教育を受けて、医師の指示はなくても問診や検査、処方等をすることができます。患者は、比較的安定した状態にあることが条件です。

 

ドラッグストア内にリテールクリニックという簡易診療所が設置され、そこでNPが診療と処方をして、薬局で調剤するのです。アメリカは、民間医療保険が主体です。非常に良いシステムです。

 

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医療機関の協働・連携が強まる

 

日本で議論されている特定看護師は、NPとは違って医師から独立して医行為ができるのではありません。薬剤師に関しての論議は、現在は具体化していませんが、特定看護師の次に議論される予定です。

 

ただ、現在も現場レベルでは、可能な範囲で業務の拡大が始まりつつあります。医師の業務軽減や医療の質を向上させようということが目的です。それは、専門職種が共同・連携することで達成されるのです

 

 

■現行法でも可能な薬剤師の業務

  • 事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、医師、看護師と協働して薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間の変更や検査のオーダーを実施
  • 薬剤選択、投与量、投与期間等についての積極的な処方提案
  • 在宅医療を含む患者への薬学的管理(副作用状況の把握、服薬指導等)
  • 血中濃度や副作用のモニタリング等に基づく副作用の発現状況や有効性の確認、薬剤の変更等の提案
  • 外来患者に対するインフォームド・コンセントへの参画と薬学的管理
  • 入院患者の持参役の確認・管理
  • 定期的に副作用の発現の確認を行うための分割調剤
  • 抗がん剤らの適切な無菌調製

 

■今後検討すべき薬剤師の評価確立の内容

  • 薬剤師の責任下における剤形の選択や薬剤の一包化等の実施
  • 繰り返し使用可能な処方せん(いわゆるリフィル処方せん)の導入
  • 薬物療法への主体的な参加(薬物の血中濃度測定のための採血、検査オーダー等の実施)
  • 一定の条件の下、処方せんに記載された指示内容を変更した調剤、投薬及び服薬指導等の実施

 

 

■特定看護師
厚労省のチーム医療推進ワーキンググループが2011年に特定看護師の要件は@看護師免許の保持A5年以上の実務B厚労省大臣の指定したカリキュラムを修了C厚労省大臣の実施する試験に合格すること−などを示している。




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