メタボリック・シンドロームを解消する治療薬とは?

メタボリック・シンドロームを解消する治療薬とは?

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がんにならんで日本人に多い死因は、脳卒中、心筋梗塞ですが、生活習慣病であるメタボリック・シンドロームの増加が、これらの病気の背景にあるといわれています。

 

メタボリック・シンドロームを解消する治療薬とは?

 

メタボリック・シンドロームは循環器系や代謝系に異常をきたし、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を発症しやすい症状のことです。しかし、WHOや欧米では統一された疾患の定義がないのが現状です。そうした中、05年4月、日本国内で内科学会を中心とした8学会共同のメタボリック・シンドローム診断基準が作られ、発表されました。

 

これは、日本独自のもので、日本人の体質を考えた上での、内臓脂肪の増えすぎによる肥満を基本とした基準です。加えて血圧が高め、高血糖、コレストロール高めの症状のうち2つ以上が当てはまる場合、メタボリック・シンドロームと診断されるのです。これらの病気になる手前でも、リスク因子と診断されます。

 

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メタボリック・シンドロームを治療するためには、肥満の改善が必要で、これは海外のガイドラインでも同様のことが記されています。肥満改善のためには、生活習慣、食事の見直しと適度な運動が勧められます。

 

しかし、海外では多くの研究者が、メタボリック・シンドロームは糖尿病の原因であるインスリン抵抗性があることによって糖コントロールができず、このことから肥満、血管組織の損傷を引きおこすのだと説明しています。

 

 

また、糖尿病はそれだけで発症した場合でも、腎臓、神経、網膜の障害、動脈硬化を起こす危険があるので、メタボリック・シンドロームとは別にして考えた方がよいという意見もあります。

 

 

薬剤によっては、複合的な効果が期待できる

 

メタボリック・シンドロームと診断された場合、病状にあわせた薬が処方されます。コレストロールが高い場合、抗高脂血症薬スタチンがよく使われます。高血糖には糖代謝をよくするビグアナイド系薬、インスリン分泌をよくするSU薬、グリニド系薬、炭水化物の吸収を抑えるαグルコシダーゼ阻害薬、インスリン抵抗性改善薬が使われます。

 

一方最近では、これまでとは違う仕組みでインスリン分泌を促し、血糖値を下げるインクレチン関連薬をよく使用します。降圧剤に関しては、以前は利尿剤が主に使われていましたが、近年ではカルシウム拮抗薬、ACE阻害剤、ARBなどが多用されています。

 

ARBは腎臓、血管を守る働きがあるとされ、様々な病状を含むメタボリック・シンドロームに有効であると注目が集まっています。




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