セルフメディケーションにおける薬剤師の役割とは?

セルフメディケーションにおける薬剤師の役割とは?

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日本では保健医療が定着しており、患者の医療費自己負担が少ないことから他の国に比べ、一人あたりの受診回数が多くなっています。そのため病院はいつも込み合い、待ち時間も相当なものです。病院の過剰な混雑を避けるためにも、国民自らが自分の健康を管理することが大切です。

 

セルフメディケーションにおける薬剤師の役割とは?

 

総額30兆円を超す日本の医療費は、このままでいくと25年には100兆円に膨れ上がると試算されています。これは、現在1世帯あたり年間70万円といわれている医療費が、300万円にまでなる可能性を示しています。医療費が増えれば保険給付額を増やさざるを得ないので、保険制度の崩壊を招きかねません。このような問題は、日本に限らず世界中で起きています。

 

現在世界保健機関(WHO)が中心となって、セルフメディケーションの必要性を説いています。セルフメディケーションとは、一人ひとりが自分の健康に関心を持って、医療の専門家の助言を得ながら健康管理にとどまらず、病気の予防や治療を日常的に行うということです。

 

日頃から自分で健康に気を配っていれば、病気を防ぐことができ、医療費節約につながるのではないかというわけです。

 

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薬剤師のアドバイスを大切に

 

自らの体調を日頃からチェックすることが、セルフメディケーションの基本です。定期的な健康診断と、その結果に基づいた生活習慣の見直しが大切です。従来の体重、体温だけでなく、血圧や体脂肪、尿糖値を測定する家庭用の機器も利用します。

 

セルフメディケーションでは、軽い風邪や頭痛、感染症の疑いがなければ、胃腸の不快感なども薬局で薬剤師のアドバイスのもとOTC薬で対処します。薬剤師には、病状だけでなく、アレルギーや妊娠の有無など、自分の体について情報を伝えるようにします。しかし、OTC薬では対応できないような重い症状がある場合は、直接医療機関に行くべきです。

 

 

OTC薬の服用は、時間や回数などの注意書きをよく守ることが大切です。飲み薬の場合、水かぬるま湯で飲むようにし、一緒に飲む薬や食べ物にも気をつけなければなりません。自宅で保管する場合は、使用期限を確認し、近くに殺虫剤などを一緒に置かないようにします。

 

現在、国民が使う薬全体量の中でOTC薬が占める割合は1割ほどです。セルフメディケーションが正しく根付けば、OTC薬の使用量が増え、国の医療費負担が減るだろうとされています。薬剤師の資格がなくても、一部の薬の販売ができる登録販売者制度が09年に施行され、OTC薬の使用を後押ししています。




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