臨床薬学(クリニカル・ファーマシー)とは?

薬学部の実務実習の現実と課題について

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薬学6年制の導入から2010年初めて長期実務実習が行われました。初めての長期実習でしたのでだったので多少の混乱はありましたが、まずまず無難なスタートでした。

 

薬学部の実務実習の現実と課題について

 

指導薬剤師を2万人近く養成

 

薬学部は医学部が付属の病院を持っているように、薬局部を持っているわけではありません。実習は現場で直接行うことが求められました。その為には指導教官が必要です。先ずは指導薬剤師の育成から始めなければなりません。

 

これを「認定実務実習指導薬剤師」といいます。養成事業は2006年、6年制が始まる一年前からスタートしました。財団法人 日本薬剤師研修センターが中心となり、研修検討委員会を作って、応募要件、研修内容の素案を作り2005年に厚労省に提出しました。そして同年4月から4年計画で開始したのです。6年制の5年次に実習があるため、間に合わせなくてはならなかったのです。

 

認定薬剤師はこの間に2万人育成しました。いずれも、@薬剤師実務経験5年以上 A病院・薬局での実務経験が3年以上 B現在、病院・薬局で勤務している・の条件を満たし、2日間のワークショップ、3日間の講義受講をクリアした人々です。実習施設振り分けは薬学教育協議会が行いました。

 

中央で調整を行うところと地区を8つに分けて調整するところでマッチングさせて学生数と設備の過不足をなくそうとしました。やはり地区によりバラツキもあり、また大学によっては病院や薬局と直接交渉するところも出てきました。とにかく全てが問題ないわけではないですが、2010年からの実習には間に合いました。

 

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実務実習は薬局・学生ともに評価

 

初めての実習を通じて、学生・受け入れ薬局側にはいい面と悪い面が見えたようです。

 

良い点
 学生側:実務行い、医療人として自信がついた。
 受け入れ側:自己研鑽、かつ薬局に活気がでた。

 

悪い点
 学生側:評価にバラつきあり。パワハラが感じられる。
 受け入れ側:服装が相応しくない。時間にルーズ。

 

100点とはいかないまでも、1・2年目の実習はほぼ良好で終了しそうです。順調なスタートと言えそうです。

 

 

■実務実習余話
実務実習は全体としては評価が高いが、中には指導薬剤師と学生の間にギクシャクした関係もあったようだ。学生に対しては(あいさつなどの社会常識の欠如」「無断遅刻・無断欠席」「服装・身だしなみの乱れ」。指導薬剤師に対しては「何ら指導もなく放置された」「他の実習生との差別発言を受けた」などの意見が上がっている。




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