薬剤師が受けるべき医療人としての倫理教育

薬剤師が受けるべき医療人としての倫理教育

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薬学の6年間の教育を通してモデル・コアカリキュラムは「生と死」「生命の尊厳」を学ぶのです。薬剤師が高い倫理観を持ち、公正に業務を遂行する使命を持たなくてはならないという思想がそこにはあります。

 

薬剤師が受けるべき医療人としての倫理教育

 

豊かな人間性と生命の尊厳を習得

 

薬学教育改革の第一の目的は、創薬と医薬品の知識を持つ知識人を養成することから、医薬品を通じて人の体をケアする人を育成する薬学に転換することです。薬剤師には、冷徹に医薬品を作成したり、医薬品の知識を持って調合するだけでなく、高い倫理観をもって患者と向き合う姿勢が求められます。

 

全ての薬剤師が高い倫理観を持ち人の生死や尊厳についていつも考えて行動すれば、素晴らしいことで、医療のレベルも飛躍的に上がるでしょう。もっと他の医療分野の担当者と対等に、共通言語でコミュニケーションを取れるようにならなければいけません。

 

人は社会的な動物です。そこには道徳と法律で規制がありますが、医療の世界にはさらに高い倫理観が存在するのです。それは医療に関わる人は、直接他人の健康や命に影響を与えるからなのです。公正性の欠如、間違いなどはあってはならないことです。

 

いろんな医の倫理があります。「ヒポクラテスの誓い」「医の倫理に関する国際協定」「ヘルシンキ宣言」などです。インフォームド・コンセントは医療を受ける患者が自己決定権を持つことよる自己の権利の保障であり,倫理観の一つです。

 

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生涯の到達課題である高い倫理観

 

生命の尊厳についてはよく取り上げられます。実際に生命の消えゆく場面ではその意味も捉えることができるやもしれません。しかし病院併設大学は国公立系以外には少ないのです。ホスピスや在宅の方がその機会は圧倒的に多いでしょう。しかし、その教育には限界もあります。医療従事者には、感情に左右されることなく、冷静な判断が必要です。そこには倫理的なトレーニングが必要なのです。倫理教育はスローガンでなく実務で身につけなくてはなりません。薬剤師の倫理の確立は、現場で永遠に問い続けられるテーマでしょう。

 

 

医の倫理に関する主な指針

 

●医の倫理に関する国際協定(世界医師会) 抄

 

1.医師の一般的な義務:医学水準の保持。営利性の排除。医療費以外の金銭授受の禁止。身体的、精神的に有害な行為や助言の禁止。
  新事実や新技術の発表は慎重に。立証できないことを証言しない。

 

2.病人に対する医師の義務:人命保護、全力を尽くす義務。自己の能力の限界をわきまえる。善管注意義務。守秘義務。
  緊急医療に対する義務。

 

3.医師相互の義務:他の医師に対する態度に注意する。よその患者をそそのかさない。

 

 

●ジュネーブ宣言

 

1.生涯を人類に奉仕する。 2.恩師に尊敬と感謝の念を捧げる。

 

3.患者の健康を第一に考える。 4.患者の秘密の厳守

 

5.国籍、人種、宗教、社会的地位による差別の禁止。

 

6.受胎の瞬間から人名を最大限に尊重する。

 

7.たとえ脅迫があっても人道の法則に反して医学の知識を用いない。




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