ドラッグストアの急成長について

ドラッグストアの急成長について

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行商の薬売りや家庭配置薬から、薬局・薬店へ。医薬品の販売はその業態を、少しずつ、ですが確実に変えています。ドラッグストアという名のディスカウントストアの要素を取り入れた米国式の店舗が近年、大型商業施設が増えるに従い、増加の一途を辿っています。

 

ドラッグストアの急成長について

 

ドラッグストアとは米国のそれを模倣したもので、医薬品だけでなく、化粧品や日用家庭用品、文房具、そして食料品まで売っている小売店を指します。健康グッズやサプリメントなどの豊富な品揃えや、明るい店舗設計、積極的に安売りする営業姿勢などが既存の薬局や薬店とは異なります。これらが特に若い世代や女性の支持を得ています。

 

ドラッグストアは、現代の高成長産業と言えます。民間の機関の調査によると、2011年度の市場規模は約5兆8000億円。11年連続で総売上高を増加させています。また、バブル崩壊で土地やビルの価格が下がった事で、店舗数も急増しています。

 

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大手スーパーやホームセンター、さらには商社など、異業種からの参入が加速していることも注目を集めており、中小店舗の経営者にもドラッグストアへの転換を促していると言ってもよいでしょう。ドラッグストアの台頭は、業界全体に激震をもたらしたのです。

 

その中で、早くもドラッグストア間に激しい販売競争が始まっています。ふるわない店舗は大手との業務提携への道を選び、吸収されるケースもあります。従って、店舗を有するチェーンは自然と限られてきます。

 

現在積極的に他チェーンの吸収を進めているグループには、マツモトキヨシ、ココラカファイン(WINグループ)、パピコム(旧イオン・ウエルシア・ストアーズ)、セブン&アイ、富士薬品グループ(セイムス)、サンドラッググループがあります。

 

 

ドラッグストアが大きな期待を集める

 

医薬品が目玉商品であるドラッグストアは、他の小売業より有利と考えられています。ドラッグストアが、ロスリーダー(集客のために採算度外視の低価格で売られる商品)に粗利率約10%の食料品や日用品を定めているのに対し、スーパーマーケットは粗利率25%以上を確保しなければ、利益率の低い生鮮品の採算が取れないと言われているからです。

 

しかし、09年に薬事法が改正され、一定の医薬品の販売を、薬剤師要らずで行えるようになってから、一般小売業者も医薬品を扱い始め、勝負を仕掛けています。このような状況下で今後もドラッグストアが成長し続けるには、やはり、調剤薬局として如何なく機能してゆくことが重要と思われます。

 

 

例えば、薬剤師による相談窓口を設けたり、顧客の薬歴をデータベース化したりと、国民がセルフメディケーションできるようなサービスを進めてゆくべきでしょう。チェーン展開が進んでいるドラッグストアでは、幸いにして顧客のデータベースのネットワークが容易に行えると思われます。

 

ですから、将来的には、医薬品産業全体を支える、今よりも柔軟で便利な業態へと進化してゆくことが期待されます。




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