スイッチOTCとダイレクトOTCとは何か?

スイッチOTCとダイレクトOTCとは何か?

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一般用医薬品の市場は、売上高において医療用医薬品に大きく差をつけられていますが、その傾向にも変化が見られます。テレビや雑誌に健康情報が溢れる現代社会においては、薬に対する知識を豊富に持った人々が、より効果のある大衆薬を求める声を、医療品メーカーに対して投げかけているのです。

 

スイッチOTCとダイレクトOTCとは何か?

 

スイッチOTCとダイレクトOTCと呼ばれる薬剤があります。これらは、大衆薬(OTC)の種類です。医療用医薬品の成分は、一般用医薬品への転用は普通は認められません。しかし、医療機関で使用した過程を経て、安全性が高いと判断された薬剤が、一般用医薬品に流用されることがあります。これを、一般用にスイッチされたという意味でスイッチOTCと呼びます。

 

スイッチOTCが急速に増加したのは、80年代中頃です。軽い病気は市販薬で治したいという実働世代の要望と、特許が切れた薬の新たな収入源を確保したいというメーカー側の要望がピタリと合わさったのでしょう。また、国の思惑も背景にあります。国民が病気の管理を自分で行えば、医療費が削減されるからです。

 

 

実際には、OTCは医療用医薬品に比べて割高です。ですが、病院に行くと診察料や検査料にくわえ、薬の処方料などがかかるので、大衆薬を買った方が節約だと大衆は信じ込みます。OTCには保険給付の必要がない為、国は公費負担の節約になるという内情を、あなたは知っていましたか?

 

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強い作用があるスイッチOTC

 

制酸剤H2ブロッカー、あるいはガスター10という商品名で知られるファモチジンは、もっとも有名なスイッチOTCです。また、解熱鎮痛薬のロキソニン、外用消炎鎮痛薬・ボルタレンテープ(またはローション)なども知られています。

 

ボルタレンは、内服薬では消化管出血などの副作用が出やすい強い薬ですが、貼り薬にすることで、市販が可能になりました。その他、膣カンジダのフェミニーナ錠、抗アレルギー薬のアルガード、アレグラ、エージーアイズ、エージーノーズ、アレジオン、ハイガード、ザジテンなども、医療用医薬品からのスイッチOTCです。

 

医療用から転用された一般用医薬品は、一般的な市販薬よりも強い効果を持つ傾向にあります。そこで、一般用にスイッチされてから最初の三年間は、副作用、習慣性、誤用などを検証する市販後調査が義務付けられています。

 

 

その一方で、医療用からの転用からではなく、いきなり一般用医薬品として販売される例もまれに存在します。それがダイレクトOTCです。新規の成分は医療用医薬品として承認申請されることが原則としてあるので、ダイレクトOTCは例外的なものとして認識されています。

 

大正製薬の育毛剤リアップは、99年に製造承認・販売され、初年度に300億円売上という大ヒットを飛ばした日本初のダイレクトOTCです。




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