テーラーメイド医療のメリット・デメリットとは?

テーラーメイド医療のメリット・デメリットとは?

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ヒトゲノムが解析されたことで、医療技術は大変革を迎えようとしています。個人の遺伝子が解読されて、体質や遺伝的な特性が明らかになれば、医療の観点も大いに変わっていくことになります。

 

テーラーメイド治療とは、その人の体格に合わせて洋服を仕立てるように、その人の体質に合った薬を作って、その人にあった治療法を提案します。テーラーメイド医療では、病気の診断の他に患者個人の薬に対する反応性や有効性などを遺伝子レベルで詳細に調べていきます。

 

テーラーメイド医療のメリット・デメリットとは?

 

そして、その患者に有効に働く薬の種類、量、治療方法などが決定されます。投薬をはじめる前に有効性や副作用の予測がつくので、後から薬の種類や量を変える必要がないとされ、かかる費用や手間の面で、患者の余計な負担が減ると考えられています。

 

このテーラーメイド医療は、ゲノム創薬により実現されます。これまでの薬は万人に効果が上がるよう開発されてきました。大人数を対象とした臨床実験のもと、効果のみられた人数がそのままその薬の効果として評価されてきました。

 

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これは、一部の効果のみられなかったケースを例外として扱い、少しでも多くの人に効果があればよいという姿勢での開発です。副作用も想定内という考えのもとでの創薬でした。それに対し、ゲノム創薬は患者一人ひとりに対応するよう調整するので、万人に効果を期待することができます。

 

テーラーメイド医療では、医薬品が患者に提供されるシステムも、これまでとは違ったものになるでしょう。例えば、検査や診断にDNAチップが使われ、必要と判断された治療薬の注文もデジタル・ネットワークを通して行われるかも知れません。

 

 

これまでのMR(医薬品メーカーの医薬品情報担当者)からの情報取得に代わって、IT化されたユビキタスネットワークを駆使して、様々な情報を、様々な立場の人が、いつでも手に入れられるようになるかも知れません。そうなれば、医薬品メーカーにおいては、従来よりも研究者や技術者の人数を増やすことができるでしょう。

 

SF物語と揶揄する声も

 

このようなテーラーメイド医療の構想を、夢物語と揶揄する声もあるようです。テーラーメイド医療に近づきつつあるアメリカでは、遺伝子診断から将来の乳がんの可能性を告げられた女性が、まだがんが発症していないのにもかかわらず両方の乳房を切除してしまった、との報告があります。

 

このことから、まずは専門家でない一般人に遺伝子のことを、もっと正しく理解してもらう必要があるとの意見もあります。しかし、テーラーメイド医療とは、世界中の研究者が先を争って参入したい領域であることは間違いなく、今後さらにその勢いは増すことでしょう。




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