薬剤師とは、どんな業務をしているのか?

薬剤師とは、どんな業務をしているのか?

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薬剤師に対して、一般の人々が持つイメージは「調剤をする人」ですね。薬局や病院薬局で、白衣を着て黙々と天秤に向かっているイメージだと思います。

 

薬剤師とは、どんな業務をしているのか?

 

医薬品全てに責任を負う立場

 

薬剤師の業務は、実に多くのものがあります。薬事法に「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどる・・」とあります。調剤をはじめ、一般用医薬品の情報提供と販売、医薬品卸業の管理薬剤師、学校薬剤師、保険薬剤師など、どれもが薬剤師でなければ出来ない仕事です。薬剤師の進路は、4年制時代は多岐にわたっています。薬剤師資格は、多くの企業でも必要とされます。なんでもできる反面、便利屋、薬事問題の処理屋的に使われていたのです。

 

医師の多くは、医師免許を活かして臨床現場に立つ人が多いのです。薬剤師との違いは何でしょう?日本とヨーロッパの比較をしてみますと少しその違いが分かってくるのではないでしょうか?

 

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1890年、薬律では「薬剤師とは薬局を開設し医師の処方箋により調剤するものをいう。薬剤師は薬品の製造または販売をなすことを得」一方、ドイツの薬剤師法には「薬剤師は全住民に規制の定めに従って医薬品を供給する職業である。それとともに薬剤師は個人と国民の健康に奉仕する」とあります。この両者の違いは、薬剤師というものが成立した歴史の結果だとも言えます。

 

ヨーロッパでは医師と薬剤師の立場は同等に近く、医業に専念するものと薬品の管理をする者による相互監視の関係です。薬剤師は、薬に関する権利を獲得し、同時に国民、国家に大きな義務と責任を負っています。例えば、医薬品販売に関して言えば、薬剤師に規格書を制定させ、規格品のみの販売と使用を義務付けています。自ら規格を作り、それのみを販売して問題が起こればそれは薬剤師の責任です。規格制定の権利と結果の責任を負っているのです。

 

 

しかし、日本では薬剤師は、医師の処方せんを調剤する者であるという概念が根底にあるのです。薬剤師が自らの権利を勝ち取っているのではなく、与えられたものであるため、薬剤師の定義にも権利よりも義務が謳われているのです。日本でも、このようなヨーロッパの薬剤師が持つ倫理観や職業観を根底にもつことが重要です。何故なら、ヨーロッパと同様に、薬剤師はすべての医薬品とそのの供給に責任を持つことが国民と結ばれた契約であるからです。

 

 

■毒殺と銀食器
中世ヨーロッパでは王位継承者に対する毒殺が横行していた。使われるのは鉱山から銀や鉛を産出するときの副産物であるヒ素。無味無臭で水に溶けるために毎日の食事の中に入れるといつの間にか死んでしまう。銀はヒ素が化学反応を起こしているが合わるため、王侯貴族は銀の食器を使うようになったという。日本でもヒ素は江戸末期にはネズミ捕りとして知られていた。

 

■薬局方
日本の薬局方は、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が定める医薬品の規格基準書。構成は通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法及び医薬品からなり、収載医薬品については日本国内で繁用されている医薬品が中心となっている。




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