感染症を予防するワクチン接種

感染症を予防するワクチン接種

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感染症の最良の治療は、ワクチン接種にあるといわれていますが、その安全性が実証されてこそ、ワクチン接種率を上げることができるのです。

 

感染症を予防するワクチン接種

 

ワクチンには、生ワクチンと不活性化ワクチンがあります。前者は生きている病原体の毒素を弱めたものを、後者は死んだ病原体から免疫成分を取り出したものを用います。ポリオ、BCG,おたふく風邪、麻疹、風疹などは生ワクチン、インフルエンザ、日本脳炎、百日咳、DTP,B型肝炎、狂犬病などは不活性化ワクチンが使われます。

 

生ワクチンは、接種した体内で病原体を増やすことによって、一か月程で抗体をつくります。不活性化ワクチンは免疫成分なので、通常二回以上接種することで抗体をつくっていきます。

 

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ワクチンは、製造場所が限られている点が他の医薬品と異なります。国内では、武田薬品、社団法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物研究会、デンカ生研株式会社、サノフィ・パスツール、以上6つの機関でワクチンのほとんどを作っています。

 

ポリオは、財団法人日本ポリオ研究所が、BCGとツベルクリンは日本ビーシージー製造株式会社の独占で作られています。また、血清研究所(千葉県)は、WHOによる天然痘撲滅宣言が発表されるまで、天然痘ワクチンを作り続けてきました。現在工場は、閉鎖されています。

 

 

登場した防腐剤フリーのワクチン

 

かつてのワクチンは、今と違って数人分が一つの瓶に入っており、注射器の針を直接瓶に何度も入れながら接種していました。ですから、汚染を防ぐために防腐剤として、水銀化合物のチメロサールが添加物として入っていました。

 

また、成分のバランスを保つ安定剤として、ゼラチンも添加されていました。そして、それらの添加物が副作用を引き起こすと物議を醸したのです。チメロサールは、接種した子どもに自閉症を引き起こしたなどといわれましたが、その後因果関係がないことがわかりました。

 

一方、ゼラチンは、アレルゲンとなることがわかり使用が中止されました。インフルエンザワクチンは、ニワトリの卵で培養することから卵にアレルギーをもつ人は注意する必要があります。ワクチンは子どもが接種対象になることが多いため、副作用やアレルギー症状を起こさないよう、2003年北里研究所により防腐剤の入らないワクチンが開発されました。




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