医薬品業界の基本法である薬事法とは?

医薬品業界の基本法である薬事法とは?

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医薬品業界は、薬事法に定められた規定に従って活動するよう義務付けられています。薬事法は時代の変化、医薬品の進歩に対応して変更が繰り返されています。

 

医薬品業界の基本法である薬事法とは?厚生労働省の役割など。

 

薬事法とは、医薬品業界の基本となる法律です。その目的は、医薬品や化粧品、医療器具などの品質を保ち、それらの研究開発を促すとともに、保健衛生を向上させることです。医薬品の原料選びから製造・販売全般に関する各機関の承認認可制度、品質管理や広告の規制にまで及ぶ広い範囲にわたる内容を含みます。

 

薬事法の基となったものは、明治3年の「売薬取締り規則」、明治6年の「薬剤取調之方法」、明治7年「贋役敗薬取締方及罰則」、明治10年「毒物劇薬取扱規則」、明治19年「日本薬局方」などです。1943年に薬事法が初めて公布され、現行法の施行は1960年のことでした。

 

その後も見直しが繰り返され、2002年の改訂により、「医師自らが治験を行える制度の導入」、「製造承認制から製造販売承認制への移行」「生物由来製品の安全確保対策」などが加わったことで、欧米各国に近づいた形となりました。

 

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「製造承認から製造販売承認への移行」により、医薬品メーカーの生産部門を分社化したり、他社と生産提携したりすることが可能になり、柔軟な経営スタイルを作り出し、生産を請負う業者を育てることにつながりました。

 

「医師自らが治験を行える制度の導入」により、新しい医薬品やそれを用いた治療をこれまでよりもすばやく行うことができるようになりました。「生物由来製品の安全確保対策」では増え続けている遺伝子組み換え製剤、ワクチン、血液製剤などが市販された後も監視が行き届くようになりました。

 

2006年には、市販薬の販売規制も一部緩和されました。薬事法は、時代とともに内容が変化し、今後も海外の基準と照らし合わせながら調整が進んでいくと思われます。

 

 

医療界の法制度改革は活発

 

医薬品業界は薬事法だけでなく医師法、薬剤師法、医療法とも関係しています。1948年施行の医師法は医師の職務や資格について、薬剤師法は薬の調合を行う薬剤師の職務や資格について規定しています。

 

薬剤師法は1996年に法改正され、患者に薬を渡す時に薬の説明を提供することが義務付けられました。医療法は医療施設の基準が設けられたもので、日本の医療体制の中心となるものです。1992年に改正され、薬剤師に対して医療の担い手としての責任が加えられ、医療分業体制を法的に示す根拠となりました。

 

医療法は、これまでハード面での基準だったものが、この改正により、薬剤師の職能というソフト面の基準へとシフトしていっています。

 

医療法とは、医療施設を対象にした基準で国内医療体制の中心となるものです。




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