薬価基準の仕組みとは

薬価基準の仕組みとは?

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薬価基準は医療保険で使用できる医薬品の品目と価格を決めたものです。薬価は2年に一度見直されます。実際の販売価格を調査して実勢価格を反映するよう改定されます。

 

薬価基準の仕組みとは?収載・価格・コードなど

 

市場実勢価格を反映する既収載品

 

薬価基準に収載される医薬品には、既収載品、新医薬品、後発医薬品があります。それぞれについて、薬価の算定方式が違います。現在の薬価算定方式を見てみることにします。

 

@既収載品の算定方式

 

現行の方式は、市場実勢価格加重平均調整幅方式と呼ばれる算定方法です。これは、医療機関や薬局の取引価格の加重平均値(税抜き)に消費税を加えます。これに調整幅として改定前の薬価の2%を加えて新薬価とする方法です。

 

かつて行っていた、バルクライン方式という方法があります。この方法は販売量を価格順に並べて、一定のラインを定め、その値を新薬価としていました。しかしなるべく高い薬価をつけておくことで価格の低下を抑えられます。薬価を操作可能にすることができるため、現行の方式に変わりました。

 

その他、既収載品に該当する後発医薬品が出た場合は、上記ルール+4〜6%の引き下げる。市場が拡大した場合はさらに引き下げる再計算ルールも有ります。

 

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日本の薬価はこのルールで行くと、2年ごとに必ず下がっていくことになります。でも国際競争力をつけ、製薬会社の新薬開発意欲を維持し、さらに未承認薬や適応外薬を排除する目的で、2010年から「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」が採用されました。

 

その対象医薬品の定義は次のものです。「薬価収載後15年以内で、後発医薬品が収載されていないこと」「市場実勢価格と薬価のかい離が、薬価収載の全医薬品の平均を超えない」「再算定品目でない」が要件です。これにより、対象品目は薬価が初期値に維持できます。この制度は12年度も継続されます。

 

 

A新医薬品の算定方式

 

新医薬品についてのルールは、類似品がある場合とない場合で違います。

 

類似品がある場合は、類似品+αの価格とします。これは類似薬効比較方式といいます。ここで類似薬とは、効能効果・薬理作用・組成、化学構造が似通った医薬品のことをいいます。そこでも、新規性があればまた加算されます。

 

類似品がない場合は、製造原価+一定マージンを加えた原価計算方式で算出されます。

 

 

B後発医薬品の算定方式

 

後発医薬品が初めて収載されるときは、先発医薬品の70%です。2012年度からは、収載希望品が10を超えるなら、内服薬に限り60%となります。後発品の種類制限と価格を一定化させるためです。

 

 

■R幅
医薬品の取引価格の加重平均値を基準とする一定の調整幅(現在2%)のこと。調整幅は医薬品流通の安定のためのものと位置づけられている。薬価は納入価(実勢価)にR幅を加える方法で設定されている。この方式をR幅方式(reasonable zone)という。

 

■新薬創出加算
一定の条件下で薬価を維持できる仕組み。薬価は改訂の度に引き下げられるが、革新的新薬の創出、ドラッグ・ラグの解消などを目的に2010年度から試行された。@新薬収載後15年以内でかつ後発品が収載されていないこと、A市場実勢価格とのかい離率が全集祭品の加重平均値以内にあること、B再算定対象品でないことーが要件。




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