薬価差益問題

薬価差益問題とは?

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薬価差とは、医薬品の購入価格と保険者への請求価格の差です。薬局や医療機関が購入する実際の薬剤費は自由価格です。しかし、被保険者には公定価格で請求されますから、その差額は利益となります、この価格差を薬価差といいます。

 

薬価差益問題とは?しくみやジェネリック医薬品などについて

 

適用品目を規定した薬価基準は価格について

 

薬価は国で決められるものです。メーカーが自由に設定できません。薬価は薬価基準に記載されています。薬価基準は価格表であり保険適用品目の表なのです。そして、全国一律価格です。

 

薬価は2年に一度診療報酬改定時に改定されます。その時薬価調査を行い実勢価格に合わせるのです。厚生省の2012年度の調査では薬価差は8.4%のかい離がありました。前回調査と同水準です。薬価と取引価格は差が出ます。それは薬局や医療機関の医薬品購入は自由価格です。しかし、薬価は先にも言ったように公定価格であり、全国同一サービスをするため差は付けられないからです。

 

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もともと、医薬分離前に薬価差が問題となり、現在の形に移行しましたが、薬価差が生じていることはその問題が何ら解決されていないことを示します。かつて「薬漬け医療」といわれた薬価差による医療機関の大きな利益の温床と変わりありません。これは薬価差問題が医療機関から調剤薬局に写っただけです。調剤薬局の購買力が増したためにこのような結果になっています。これは大きな問題です。

 

 

脱却しなければならない薬価差依存体質

 

薬価差の解消にはもう一つ問題があります。メーカーと卸業者間のアローアンス・リベートがあるため、実質価格は不透明なのです。この点の解消は薬価差解消に大きく影響します。これは流通改善問題も含み難しい現実なのです。

 

しかし、自由経済でありながら公定価格が入り、そこには出口は決まっているが間は自由だよという社会の仕組みが有ります。これを統一する制度の確立は時間がかかります。もし薬価差がなくなったとすれば次の対策は調剤薬局では準備しておかなければなりません。医薬品の薬価差が問題となったように、調剤薬局が問題視されたときは、経営転換を余儀なくされるのです。

 

 

■薬価基準
保険で使用できる医薬品の範囲と価格表の両方の性格を有する。薬価調査に基づいて一定の方式で価格が決定され、「薬価基準」に収載される。現在、薬価基準に載っている薬は、内服薬、外用薬、注射薬を合わせて約17,000品目以上。薬価基準への新規掲載は、新薬は年4〜5回、後発品は7月と11月の年2回。薬価は2年ごとに見直される。

 

■薬価差問題
薬価差は実際の購入価格と薬価とのかい離で生じる。かつては医療機関が医薬品を買い叩くことが問題とされたが、最近は調剤薬局に移った感がある。購入価を買い叩くと、次回薬価改定で薬価引き下げになり、薬局の在庫価値を下落させることになる。過度の薬価差要求は自らの足を引っ張ることにもなる。




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