調剤薬局のパラダイムシフト

調剤薬局のパラダイムシフトについて

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ここ数年の間に、調剤薬局を取り巻く環境が大きく変わっています。従来のやり方をするだけでは、通用しないようになってきているのです。要因は色々ありますが、そもそもの医薬分業は誰のために、どうあるべきかを考えるべきでしょう。

 

調剤薬局のパラダイムシフトについて

 

公的資金で成り立っている経営原資

 

今、社会は変革の時を迎えています。それは我々が当たり前で不変だと思ってきた価値観などがいつの間にかそうではなくなってきています。大きな要因は人口が減少期に入り、更に構成比率が変わり超高齢化社会となったことでしょう。加えて、借金大国日本の増え続ける財政赤字。貿易に頼ってきた日本には厳しい、世界中の国々で工業化の波がうねり、黒字の減少が起こっています。

 

情報は、世界中のものが瞬時に手にできます。また、画一的な価値観は崩壊し、権威や権力、専門家といわれる人も、厳しい評価がくだされるのです。社会保障と税の一体改革は、基本的には増税して、超高齢化社会での社会保障を継続して受けられる仕組みをつくることです。税は消費税で段階的引き上げとなります。

 

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ここで調剤薬局の収入である調剤報酬について考えてみます。調剤報酬は公的資金です。国が決めた価格で、等しく医療を受ける権利を国民に与えるためには、医療関係者の報酬は国から出る以外にありません。公的資金である以上、国民はより良いサービスを受ける権利があります。ただ、医薬分業が見合った仕事になっているのかとの声が上がり始めているのです。

 

2011年秋、厚労省の高官は次のように指摘しました。「2010年度の調剤薬局費は約6兆円で、技術料は1.5兆円です。これだけの費用が国庫から出ているのです。保険薬局は責任の大きさを自覚して、この制度を維持する上で、出来うる最大限の効率化努力が必要です。」これは勧告です。実績を出す必要があります。

 

 

1兆5千億円に見合う内容なのか

 

厚労省高官の指摘は、薬剤師の介在で発生する技術料が、薬剤師業務として適正か疑問視しています。適正な労働だけでは足りず、削減努力をするように行っているのです。調剤薬局のパラダイムシフトは始まっています。国の保護・バックアップによる優遇された時代から、競争時代に入っていることを認識して自助経営努力を行わないと生き残れないのです。

 

調剤薬局も、コンビニとの提携による業態開発、大手調剤薬局の地域への出店、ドラッグストアの参入、など競争が激烈化しているのです。調剤薬局は本格的に、経営努力が求められているのです。

 

■医療費の財源
病院での診察、薬局での調剤は保険診療、保険調剤と言われ、医療保険制度で運営されている。財源としては保険料が49%、税金37%(国25%、地方12%)自己負担14%の割合。医療費が増加すればそれぞれの負担割合を増やすか、給付を下げるかのいずれしかない。

 

■コンビニ&調剤
コンビニエンスストア内に調剤薬局を設置し、レジも一ヵ所で行うスタイル。コンビニ売り場ではOTC薬も扱う。処方せん患者の7割がついでにコンビニで買い物をするというデータもあり、調剤薬局大手のクオールがローソンと提携して進めている。




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