ドラッグストアに関わる中間業者について

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商品の流れは、製造・卸・小売りが通常の流れです。しかし、ドラッグストアの中間流通経路(卸)は、取扱商品の多さから非常に複雑になっています。小売業が統合され、全国展開を行っています。それに対応して、全国や広域化に中間流通業も対応しなければなりません。M&A(合併・買収)が進み、全国・広域化を進めます。

 

ドラッグストアに関わる中間業者について

 

卸売業の多様な形態

 

取扱い商品別には、医薬品卸売業は3つに分かれます。医専は、「医科向け専門」です。薬専は薬局やドラッグストアなどに卸す商品を扱う「薬粧専門」です。そして、両方を扱うのが総合卸です。

 

食品卸は、専業卸とフルライン卸があります。専業卸は、菓子など特定のカテゴリーを扱います。フルライン卸は食品全般を扱います。地域別の展開方式では、全国卸・広域卸は全国や複数県にまたがっていますし、地場卸といって、特定地域でのみ業務を行う卸があります。

 

最近は地場卸は業界再編に伴って、全国卸の傘下に組み込まれつつあります。

 

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卸業界の再編が進んでいる

 

中間流通業は、取扱商品の数量によって業績は大きく左右されます。業績アップには取扱商品を増やさなければなりません。そのためフルライン化が進みましたし、小売業の全国・広域化に伴い、卸業も全国・広域化が進みました。

 

医薬品卸の特徴は、特定メーカーとのつながりが強い過去の経緯から、偏在がありました。しかし販売店が、薬粧店(小規模薬局・薬店・化粧品店)からドラッグストアに主体が移ってきました。医薬品卸業界も、メーカー系列枠を超え再編が進みました。食品業界も同様にフルライン卸を目指して統合を行いました。

 

 

しかし、フルライン化が進めば進むほど、営業担当者は自らのカテゴリーや商品知識が多岐に渡るため、希薄になってきます。メーカーは自社商品が望んだ店頭展開ができない不安があります。そこでメーカーは卸には物流機能・集金機能のみを任せて、小売業本部との交渉や販促は自社で展開をするようになっています。卸の業務範囲が狭くなったことでマージンは圧縮されています。チェーンドラッグでブランド化しているPB商品は卸を通さないか、微々たるマージンです。

 

卸業も利益確保をするために、従来型を脱却して、情報分析や棚割り・販促提案、請負を行い、更には商品開発を行ってメーカー機能をもつところも出現しているのです。

 

 

薬粧
「薬粧店」「薬粧卸」というように使う。薬商店は小規模の薬局・薬店、化粧品店のこと。薬粧卸はOTC薬など、薬局・薬店、ドラッグストア向けの商材を扱う卸のこと。薬専卸ともいう。

 

物流センター
大手ドラッグストアチェーンは自社の物流センターを保有する企業が多くなってきた。このため卸は物流センターまでの配送となり、センターフィー(物流センター利用料)まで取られるため、利益が減っている。




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