小売業界の返品は、コストや資源の無駄となっている

小売業界の返品は、コストや資源の無駄となっている

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昔から悪しき慣習というのがあります。医薬品小売業界にある最も大きな問題は、メーカーに戻される返品です。これはコストや資源の無駄遣い、更には環境汚染の最たるものです。その根底には、小売り側が持つ甘い体質があります。

 

小売業界の返品は、コストや資源の無駄となっている

 

古い業界慣習が残っている

 

返品要因は、いくつもあります。例えば、「決算時の店頭在庫の減少」「棚割り変更時の効率化」「季節性の高い商品のシーズン終了に伴うもの」「新製品との入れ替え」「メーカー・卸の過剰納入による売れ残り」「アイテム絞込みのため」「PB商品拡大に伴うNB商品の返品」などがあります。

 

この際、小売側が当然のこととして行う場合が多いのです。そこには、罪悪感も倫理観もありません。さらに、センターフィーや販促料を取っているにもかかわらず、返品時には無視されるケースが殆どです。

 

社会的責任の大きい大手スーパーなどは、そういう問題は少ないのですが見薬品小売業界は、「返品自由」「支払いには長いサイト」が過去からの負の遺産です。それがドラッグストアに受け継がれているようです。経営者の間では、「返品は減らさなくてはならず、適正在庫管理が必要」との考えが多いのですが、現場サイドは狩野の悪臭に染まっているのです。

 

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独禁法違反になる不当返品

 

安易な返品は、企業を弱体化させます。「適量仕入れ」の考え方で消費動向を研究したり、「仕入れた商品は売り切る」気持ちを減少させるのです。また、不当返品は、独禁法違反にあたります。

 

本来は、返品は商品に瑕疵がある場合や納入規格の取り決めがある場合、小売業者の申し出に対して力関係の弱い業者であることを条件に納入業者が了解した場合、に限りできるのです。今後は返品問題は、法的な解釈の元で議論がなされるようになるでしょう。

 

環境問題からも問題提起されます。返品抑制の動きが出てくることでしょう。納入業者も努力しなければなりません。「無理な推売をしない」「返品削減意識の向上」「無返品契約を実施する」などを推進しなければなりません。

 

 

センターフィー
小売店配送センター利用料

 

支払いサイト
取引代金の占め日から支払日までの期間

 

返品と独禁法
返品が独禁法問題となるのは、取引上優先的地位を利用して埠頭に返品し、相手方に不利益を与えるケース。独禁法第2条9項5号の「優先的地位の濫用」が適用される。




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