アステラス製薬株式会社の評価・評判について

アステラス製薬株式会社の評価・評判について

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アステラス製薬は、ラテン語やギリシャ語、英語で星を意味する言葉を組み合わせて作られた造語で、星のように輝く企業になりたいという意味が込められています。今後の医薬品業界で、活躍が期待されている会社です。

 

アステラス製薬株式会社の評価・評判について

 

2005年、山之内製薬と藤沢薬品工業(以下、藤沢薬品)が合併し、アステラス製薬(以下、アステラス)が生まれました。前年、2004年のそれぞれの国内売上順位を見てみましょう。山之内製薬は5位、藤沢薬品は8位です。合併した時点で、その売上は武田薬品に次いで第2位となりました。藤沢薬品の基礎となったのは、防虫剤であるショウノウの販売です。

 

1894年に大阪の道修町で開業し、1970年代には抗生物質の開発でさらに発展し、1993年に発売が開始された免疫抑制剤のプログラフは同社の世界進出への切符となりました。プログラフは現在も、世界80ヶ国で使用されています。いっぽう山之内製薬は1923年、大阪の江戸堀で創業しました。神経痛やリウマチの治療薬であるカンポリジンで、医薬品メーカーとして名を上げました。

 

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やがて70年代に、抗生物質ジョサマイシン、80年代には降圧薬ベルジピンで徐々に販売高を伸ばし、1985年には開発したとある製品によって飛躍的に成長しました。それが制酸剤ガスター(H2受容体拮抗薬)です。

 

両社は両社とも、海外進出にいちはやく取り組んでいました。特に、藤沢薬品は米国に、山之内製薬はヨーロッパに強いパイプを持っていたので、新会社の世界戦略を鑑みた結果として、合併のメリットはかなり大きかったのではないでしょうか。

 

実際に、合併後は欧米の両方で新薬の承認申請をより活発化させ、07年には米国バイオベンチャーのアジェンシス社を見事に買収しています。

 

 

透明性と健全性も高く評価されてきた

 

再スタートを切ったアステラスがまず注目されたニュースは、最大のライバルである第一三共に、同社の大衆薬部門を売却したことです。2006年のことでした。医療用医薬品に経営資源を集中させることで、ビジネスの効率化と、迅速に行動する力を強めることに心を砕いたと言えるでしょう。

 

現状の課題は、特許切れです。2010年、主力製品であったプログラフとハルナールの特許が切れました。現在は、過活動膀胱治療薬ベシケア、消炎鎮痛薬セレコックス、ぜんそく治療薬シムビコート、骨粗しょう症治療薬ボノテオ、統合失調症治療薬セロクエルなどを積極的に販売しています。

 

アステラスの前身である藤沢薬品も山之内製薬も、長年にわたってディスクロージャー(情報開示)優良企業に選定されてきました。その透明性と健全性が高く評価されてきたのです。そうした精神が脈々と息づいているアステラスは、今後も医薬品産業の信頼性向上にも寄与し続けるのでしょう。




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