第一三共株式会社の評価・評判について

第一三共株式会社の評価・評判について

このエントリーをはてなブックマークに追加  

国内大手4社のうちの一つとして、第一三共製薬があります。外国人スタッフなども積極的に採用して、グローバルな企業に成長しています。

 

第一三共株式会社の評価・評判について。世界初の薬剤開発で急成長

 

第一三共株式会社(以下、第一三共)は、2005年9月28日に三共と第一製薬が経営統合して始めた企業です。同社は2011年、国内売上第三位にランクインしました。会社を一つにするにあたって、第一三共本体は医療用医薬品事業に特化しました。新会社として発足した第一三共ヘルスケアには、大衆薬(OTC)が任されました。

 

第一三共の前身となった三共は、1899年に三共商店として創業。高峰譲吉博士が発見した消化酵素タカヂアスターゼの製剤化および販売で富を築きました。その後もまた、高峰氏によって抽出に成功した副腎皮質ホルモンのアドレナリンも製剤化し、商いの手を広めることに成功します。

 

スポンサーリンク

 

そして、1913年に三共株式会社となり、高峰氏が初代社長に就任。1950年代には、風邪薬ルルや三共胃腸薬で大衆薬部門の売上も軌道に乗せ、60年代になると欧米市場に乗り込みます。さらに三共の名がワールドワイドになったきっかけは、高脂血症治療薬メバロチンの開発です。この薬剤は通称スタチンと呼ばれ、世界初のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、1989年に発売されました。

 

生活習慣病の増加に伴ってこの薬剤は世界中で飛ぶように売れ、90年代後半から2006年に米国で特許切れになるまで、医薬品別売上の世界トップテンに入り続けていました。これまでの薬剤とは一線を画した新しい薬を次から次へと打ち出していった三共は、2005年に山之内製薬と藤沢薬品が統合しアステラス製薬となるまで、武田薬品に次いで国内第二位の売上を誇っていました。

 

三共は、日本の医薬品業界のパイオニア的存在かつ、業界全体を牽引する存在であったと言えるでしょう。

 

新規薬剤を投入して収益改善

 

もう一方の、第一製薬に話を移します。この会社の創業は1915年で、駆梅剤ネオネオアーセミンの製剤と販売によって莫大な収益を得て、1915年に株式会社化しました。その後もぜん息や感染症の治療薬、ビタミン剤の開発で着実に事業を確立してゆき、世界初の抗プラスミン剤を開発したのちは、世界進出に着手します。

 

そのほかの医療用医薬品としては、抗菌薬クラビットや降圧薬ACE阻害薬コバシル、非ステロイド性消炎鎮痛剤モービックがあります。大衆薬では発毛促進剤カロヤン・アポジカ、胃腸薬センロック、貼り薬パテックスなどが有名です。

 

第一三共となったのちは、ランバクシー社の買収に注目が集まっています。同社はインド最大の製薬会社であり、世界有数のジェネリック医薬品を製造・販売しています。第一三共は、現在、売上の大半を降圧薬オルメテック(ARB)、そしてオルメテックとCa拮抗薬の配合剤レザルタスに依存しています。

 

なので、合併した効果にいまひとつ目新しい点がなかったのですが、2010年に新規の認知症治療薬メマリーが、2011年には抗潰瘍薬ネキシウムが発売となりました。それらによって、利益の巻き返しが心待ちにされています。




このエントリーをはてなブックマークに追加