調剤薬局の経営実態

調剤薬局の経営実態ってどうなってるの?

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調剤薬局の収入源は保険調剤が大部分です。これは医療保険制度の中にあるもので、規制が多く、一般企業のように合理化や効率化を追求してコストダウンをすることは出来ないのです。

 

調剤薬局の経営実態ってどうなってるの?

 

経営資源は、薬価差がポイント

 

調剤薬局が自らの努力で利益を上げるには方法は二つ考えられます。一つは店舗を増やしスケールメリットを出すことです。もう一つは高収益の部分を中心に行うことです。

 

スケールメリットは、大量仕入れで医薬品購入価格を低くできます。また、1店舗あたりの収入の総和が会社の収益となります。薬価は購入料によって差が出ます。2012年度では8.4%の基準値との差があります。これを平均かい離率といいます。最大では15〜16%値引き可能です。消費税を引くと10〜11%です。大規模店、小規模店にかかわらず、かい離率差はありますが、薬価差を収入源としているのです。

 

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いずれの調剤薬局も個別点数をみて判断し、重点的に点数の高い部分に取り組んでいます。12年度を見てみましょう。後発医薬品調剤体制加算が充実(35%以上変更は更に高加算になります)、在宅医療、薬歴管理料活用が高収入部分となります。

 

これらの対策を薬局が取れば、収益増につながるのです。国の政策意図は、超高齢化社会での医療の提供体制を以後強化していく方針です。これらの意を先取りして対応することが調剤薬局の経営を安定化させることにつながります。

 

 

コスト増の要因として医薬品の在庫が問題

 

支出面で最大は医薬品費ですが、関連医療機関の処方せん内容を大体は把握しています。しかし、複数(30〜50、最大では100超)の医療機関に対応するにはどうしても備蓄医療品は増加しますし、デッドストックになり廃棄費もかかるのが実情です。更に薬価改定で資産価値が下がる場合もあるのです。在庫を持たない方策も考えなければなりません。

 

2012年度の中医協報告を見ると、平均備蓄数889品目、後発医薬品はこのうちの145品目です。次に人件費ですが、日本では40枚の処方せんを超えると、薬局は薬剤師を一人追加しなければなりません。現状では確保が難しいので、今後はアメリカのようなテクニシャンに似た補助員制度を導入する時期かもしれません。

 

■後発医薬品調剤体制加算
処方せんに記載された医薬品のうち後発医薬品変更した割合(数量ベース)の高い薬局が調剤基本料に上乗せできる仕組み。従来20%以上、25%以上30%以上だったが、2012年度から22%、30%、35%に引き上げる。国は2012年度30%の目標を掲げているが、現状では達成は難しそう。

 

■テクニシャン
調剤助手。アメリカをはじめ欧米では簡単な調整行為などを助手に任せる制度がある。薬剤師は患者モニタリング、服薬指導などに専念できる。日本では認められていない。薬剤師不足もあり、調剤助手制度を要望する声は大手調剤薬局に多い。




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