薬剤師のフィジカルアセスメントとは?

薬剤師のフィジカルアセスメントとは?

このエントリーをはてなブックマークに追加  

薬剤師が入院患者の服薬指導を行うときに、フィジカルアセスメントも同時に行うことが広がってきています。薬局薬剤師を対象とした研修も始まっています。そして実施している薬局も出てきました。

 

薬剤師のフィジカルアセスメントとは?

 

薬剤師が血圧測定することは違反ではない

 

医師法には「医師でなければ医業をしてはならない」(第17条)との明確な規定があります。医業というのは「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし、また危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を反復継続する意志を持って行うこと」と解釈されています。

 

2005年7月、厚生労働省医政局長の通知が、医療行為でない行為についての通知が出ています。各省庁の通知は法的な意味を持ちます。@一般的な測定方法による体温測定A自動血圧測定機による血圧測定B軽微な切り傷・擦り傷・やけど等の処置C医薬品の使用の介助など。

 

スポンサーリンク

 

聴診器・血圧計を持参して居宅訪問をする

 

前項で現在の法律下でも可能な薬剤師業務を掲載しました。その中で、「外来患者に対するインフォームドコンセントへの参画と薬学的管理」があります。薬剤師法25条の2に「薬剤師は販売または授与の目的で調剤した時は患者に対し医薬品の適正な使用のために情報を提供しなければならない」とあります。

 

適正使用のためには患者の体の変化から情報を収集しなければなりません。その為の一つがフィジカルアセスメントと考えられ、これは薬学的管理の一環と捉えることができます。大阪の調剤薬局チェーンのファルメディコは患者宅訪問時に血圧計と聴診器・体温計を持参します。もちろん患者の同意を得て薬剤師が測定し、データを薬剤の効果や副作用の防止に役立てています。

 

こういった行為は現在では、医師の負担軽減、データ管理での医療質を向上の一助です。しかし、その結果の蓄積が評価されて薬剤師の職能を広げていくことになるのです。今後は、薬剤師の職能が広がる可能性があります。

 

しかし、厚労省の決定を待つなら、過去の薬剤師の役割のように与えられたものとなってしまいます。日本でも、自らの薬剤師職能の拡大と絶対的地位を獲得して行くのだという気概をもって、国民に訴えていくことが必要です。

 

 

■薬剤師のバイタルチェック
薬剤師がフィジカルアセスメントを行うためのバイタルサインチェックの講習会が各地で開かれている。病院や大学、薬局グループなどで聴診器の使い方、脈拍や血圧の測り方など実技中心で行う。薬科大学でも取り入れるところが増えてきた。




このエントリーをはてなブックマークに追加