買い手市場になる薬剤師業界

売り手市場から買い手市場になる薬剤師業界

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薬剤師過剰の時代になりそうです。数年前から、薬科大学が増加して薬剤師は増え、市場は統合されていずれ薬剤師は過剰になる時が来ると言われ始めました。昔のように、薬剤師免許を持っていれば安泰だ、という時代は終りを告げるでしょう。

 

売り手市場から買い手市場になる薬剤師業界

 

過剰供給になる薬剤師

 

厚労省の「薬剤師需要の将来動向に関する検討会」は2007年の報告で07年で既に8万人が過剰(無職者は含まず)であると述べています。さらに14年には8.5万人、18年には10万人が過剰になると予測しました。一方、薬局の需要状況では28年に14万1041人と予想しています。しかし、11年度比で7000人だけの増加です。

 

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では毎年7〜8000名増える薬剤師はどうすることになるのでしょう。ただ、調剤薬局やドラッグストアでは薬剤師不足です。これは、都市部への需要の偏りが原因です。地方部では慢性的な薬剤師不足で、薬局の新規店舗の出店も在宅医療の推進も思うようにいきません。さらに薬科大学の6年制移行があり、空白の2年間は薬剤師不足感をあおりました。

 

そして6年制と変わった大学は、臨床薬学重視であるので、他の職種へは就職しにくいのです。調剤薬局、ドラッグストアへの供給はますます増加するでしょう。今後、薬剤師免許が特権の証ではなくなり、医療人としてのマインドと専門家としてのスキルを兼ね備えた薬剤師が必要な時代なのです。

 

 

■薬剤師免許
薬剤師免許は一度取得すれば一生有効。今後、薬剤師の資質向上のために、一定の研修を義務付ける免許の登録更新制なども論議される可能性がある。
■薬剤師の地域偏在
厚生労働科学研究報告(2010年)によれば、薬剤師の偏在は都道府県の医療圏で1.3〜11.9倍の格差があることがわかった。北海道では札幌地区が236.3人、根室地区が86.6人、東京都では、区中央部が1748人、西多摩が147人など同じ都道府県内でも薬剤師は大都市に集中している。




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