日本のドラッグストアの始まりについて

日本のドラッグストアの始まりについて

このエントリーをはてなブックマークに追加  

日本ドラッグストアの幕開けは1970年代。千葉市の千葉薬品作草部店、そして神奈川のハックイシダ(現CFSコーポレーション)のハック杉田店でした。

 

日本のドラッグストアの始まりについて

 

黎明期:1970〜1980年代

 

70年代に出現した新興勢力のドラッグストアは、既存の薬局・薬店と比べて安価に販売します。そのため、幅広く消費者の支持を集めました。次第に勢力が拡大してきました。当時のドラッグストアの特徴は、大量購入・大量販売型というもので、サービス(接客やカウンセリング)は重視されていませんでした。

 

また当時、再販制度が医薬品に適用されていました。さらに医薬品小売団体やメーカーからの圧力があり、商品調達には困難を極めました。1970年にはAJDとNIDが誕生しました。ボランタリーチェーンであるこれらは商品調達、プライベートブランド(PB商品)開発、ドラッグストアの運営指導に大きく貢献しました。

 

スポンサーリンク

 

成長期:1990年〜2000年代中番

 

幅広い品揃えと低価格で、薬局や薬店の売り上げを奪い取りました。マツモトキヨシがテレビ広告を打ち始めました。この頃からドラッグストアの業態が定着し始めたのです。ここでは、安売りだけでなくカテゴリーを充実させることやカウンセリングの強化を行い、顧客とのコミュニケーションを通じ健康や美容の問題に注力していったのです。

 

利便性のニーズに答え、雑貨や食品も取り扱いだしました。90年代後半には100店舗を越すチェーンドラッグストアが出現しました。株式上場企業も出てきました。1999年、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が設立されました。ドラッグストア業態も確立され、社会的に認知されてきました。02年に経産省の商業統計に取り上げられるまでになりました。

 

 

成長後期:2000年代後半〜

 

OTC薬(一般用医薬品)販売の規制緩和(09年の改正薬事法施行)で、ドラッグストアは他業態との差別化を図りました。調剤機能の強化、セルフメディケーション、在宅介護の取り組み、ビューティ特化型店舗の開発などです。ベクトルが薬局本来の仕事に向けられたのです。

 

また、便利性がドラッグストアの重要な要素です。立地条件や長時間営業、コンシューマぶる商品の取り扱い、クイックショッピング可能な売り場の改良、サービスなどの強化を図ってきました。

 

2000年代後半からは、上位集中化の傾向が出てきました。M&A(合併、買収)や提携が活発化し、再編が行われるようになりました。牛態としての成熟期初期に向かっています。

 

 

プライベートブランド(PB商品)
自主企画商品。小売店独自のブランドで販売される専用商品。ナショナルブランド(NB商品)の対義語。

 

セルフメディケーション
自分の健康を自分で管理すること。病気や薬について正しい知識を持ってOTC薬等を活用し、積極的に健康管理にかかわろうとすること。

 

コンシューマブル商品
消耗雑貨及びコンビニエンス食品

 

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)
1999年6月に全国のドラッグストア経営者有志によって設立された。初代会長はマツモトキヨシの松本南海雄氏。設立以来、薬剤師不足問題、ドラッグストアショー開催、各種アドバイザー制度創設など精力的な活動を展開している。




このエントリーをはてなブックマークに追加